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「人新世」~地球が突入した新しい地質年代で新人生を [環境]

人新世.jpg

人間活動の影響で地球がついに新しい地質年代に突入したと科学者たちが言い始めた。
名付けて「人新世」。
これを知って新人生を始めるのもいいと思う。

英国地質調査所British Geological Surveyのコリン・ウォーターズ博士がこの1月7日にサイエンス誌に発表した論文で新しい地質年代を提唱している。anthropocene「人新世」だ。

人間のせいで、原生林が地上からどんどん消えて行く、ボルネオの泥炭地を切り開いてパームオイルのプランテーションにしたり、シベリアの凍土が溶け出したり、北極の氷がなくなる、などなどの目に見える急激な変化。多くの種の絶滅。気候の変動。放射能汚染。遺伝子組換え作物。これまでいろいろと驚かされてきた。産業のあり方、人間の生活様式、社会のあり方を根本的に改めないと、地球がもたない、動植物がもたない、つまり人間も危ない。そう私は思っている。

ところがことはもっと大がかりであった。

 ↓ ↓ ↓

イギリスのガーディアン紙が報じている。かいつまんで紹介しよう。

「人間による影響で地球は「人新世」に突入と科学者」2016.1.7
New study provides one of the strongest cases yet that the planet has entered a new geological epoch

人類が地球の大気、海洋、野生生物に与えた影響は大きく、地球が新しい地質年代に突入したと考えるところまできた、というのだ。ならば、12,000年ほど前に始まったholocene 完新世も終わることになる(この新地質年代は今年、国際層序委員会 International Commission on Stratigraphy に提案される見通し)。

その根拠として、人間が建物に使うコンクリートの量から海に捨てられるプラスチックごみの量まで、さまざまのことが引き合いにされている。氷河期が終わったときに匹敵するような大きな変化だという。

今の大気中の二酸化炭素やメタンガスの濃度の上昇ペースは、完新世の始まったときの地球の変化より大きいという。それは人間の活動による急激な変化だが、人間はまた、年間およそ3億トンというプラスチックも生み出し、コンクリートの量も激増。人間がこれまでに使ったコンクリートの量の半分以上が過去20年の間に作られたもの。

野生の生物の地上に占める面積も激減。今では氷に覆われていない陸地の25%。3世紀前は50%だった。絶滅のペースも急激に速まっている。

しかし、人間がいちばん地球にその足跡を残しているのが、1950年代、60年代に行なわれた核実験による放射性同位元素の存在だという。
「新しい地質時代を提唱する最大の根拠たりえるものがおそらくこれ(核実験の放射性降下物)だろう。氷河の中からも見つかる。グリーランドの氷床を調べても、どこからが「人新世」の始まりか分かる」とウォーターズ博士。

この「人新世」のきっかけは20世紀半ばから始まった科学技術の急激な発達と人間の人口と消費活動の急速な伸び。

「人間が地質学上の一大勢力となりつつあるのです」

この新しい地質時代が認められれば、その意義は「人間が地球に対してしていることがいかに大きいかを伝える」ところにあるとウォーターズ博士。

地球温暖化の話は広まっているが、それはいま地球に起きている大きな変化の一側面に過ぎない。「人新世」の考え方は、地球ではいま一連の大きな変化が起きているのだとするもの。大気だけでなく、海洋も氷河もすさまじい変化をとげつつあるのだと。

「人新世」の用語が使われるようになったきっかけはオゾンホールの研究でノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェンが2000年に書いた論文という。

しかし「人新世」は地質学用語ではなく、新石器時代といったような文化的な用語ととらえるべきであるという意見もある(ケンブリッジ大のフィル・ギッバード教授)。

いずれにせよガーディアン紙がまとめる「人新世」の具体的根拠は次のとおり:

● 人間が原因で、長期平均値をはるかに上回る動植物の絶滅が起きている。今は地球の第6次絶滅期(*1)。このままだと今後数世紀で地球の種の75%が絶滅する。
● 人間は、産業革命以来、化石燃料の燃焼により大気中の2酸化炭素の濃度を120ppmほど上昇させた。いま、400ppmほどで、まだ上昇中。
●1950年代、60年代の核実験で炭素14(自然界にも存在)とプルトニウム239(自然界には極めて稀)の痕跡を地球の中緯度の地域に拡散した。
●大量のプラスチックを海洋に廃棄した。マイクロプラスチックの微粒子は地球上至る所に拡散しており、将来の世代は化石からこれを検出することでいまの時代を特定できることになろう。
●肥料の使用により地中のチッ素と硫黄を1世紀で2倍にした。チッ素サイクルへ25億年で最大の影響を及ぼしたとする説もある。
●化石燃料の燃焼による黒色炭素などの浮遊微粒子を氷河中に永久的に残した。

(*1:これまでの絶滅期と違い、原因が初めて人間)


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Posted by 中嶋 寛 on 2015年1月5日


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