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もっと知らさんとモンサント(2) [環境]

(1)で書いたような実験動物や家畜や人間に起きる様々の異変。
どうしてこんなことが起きる?
考えられるのは大別して3つとジェフリー・スミスは言う:

1) 遺伝子組み換えの操作そのもので予期せぬ異変が起きる

作物にもともとあった遺伝子が削除されたり、配列が変ったりしている。それは予期せぬ変異であり、アレルギーや病弱な体質、ガンなどにつながっている可能性がある(*5)。

2) Bt毒素 

二つ目はすでにふれたBt毒素。自然界にも存在するBt毒素と違って、遺伝子組み換えのものは、消化器の中に入っても活性化されたままである。活性を"OFF"にするスイッチが作動しない状態という。訴訟の中で明らかになったモンサントの研究でも、腎臓や肝臓といった臓器の異変が確認されてる。他にも、血液の異変などが認められる(*6)。

3) 除草剤ラウンドアップ(主成分グリホサート)

3つめは商品名ラウンドアップのモンサントの除草剤である。売り出されてから最初の16年(1996-2011)で2億4000万Kg近く使われた。その主成分グリホサートは、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)であり、先天異常を惹き起こし、ホルムアルデヒドを生成する。WHO世界保健機関が人に対する発がん性が「おそらくある」であろうとしている(発がん性2A)物質である。

ぐりほさーと散布.jpg

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アメリカの遺伝子組換え作物

ではどれだけ遺伝子組み換え作物は出回っているのか。

なんとなんと: 

アメリカの大豆の94%
トウモロコシの90%
綿実の96%
てん菜95%である。
ナタネ(カナダ)も95%が遺伝子組み換えのものになたね。
そのほかズッキーニとかハワイ産のパパイヤ、中国産のパパイヤなど。

これらの作物、さらにこれらの作物の派生物(食用油とか甘味料とか)、
これらを成分として含む加工食品を人は食べるわけだ。
それらをエサとして食べた家畜も人は食べている。

なぜそんなものが出回る?

アメリカの食品の安全性を管轄する食品医薬品局FDAが認可するからである。
そこの食品の安全性に関する責任者は以前弁護士としてモンサントの仕事をしていた。
FDAのあとは再びモンサントに副社長として天下り、その後再びFDAという人である。
忙しい人ではある。行ったり来たり。あなたどっちの人? 規制する側? 規制される側?(*7)

「遺伝子組み換えムラ」

研究者が遺伝子組み換え作物に不利な論文を書くと圧力がかかり学会から抹殺されたりする。
研究費が下りない、誹謗中傷がなされ、葬られる(*8)。
どこかの村で聞いたことのあるような話だ。

知らぬ間に遺伝子組み換え食品を口にしている日本の消費者 

食品を購入するときに遺伝子組み換えでないものを選べるようにするため、表示を法律で義務づけることだ。しかし、そのような法律を作ったら、企業の利益を損なった、投資家の権利をそこなったと訴えられるのがTPPだ。国はその訴えに負けて法律は撤回、賠償金まで払わされる(ISD条項)というのがTPP。TPPはモンサントの日本侵略のためにあるようなものとも言っていい。規制はとっぱらわれるにきまっている。規制なしにこの巨大企業にどう太刀打ちできるというのか。

日本はいま全面的な表示を義務づけてはいない。一部に表示がなされているという奇妙で生ぬるい制度だ。表示されてないものを見て消費者は安全だと間違った印象を持たされる。表示がないからといって遺伝子組み換えのものではないという保証はないのだから。

というのも表示が義務づけられているのは8つの農産物とそれらを原材料とする加工食品33品目だけだからだ。そしてこの8品目以外は表示しない、というだけでなく、表示してはならない、というきまりになっている。

ということで醤油とか大豆油とかコーン油には表示されない。

しかも「遺伝子組み換え作物は使っていません」という表示でも、実は使っていたりするから、奇妙というか怖い制度だ。使っていても「主な原材料」(*9)でなければ「遺伝子組み換え作物は使っていません」と表示できるのだ(EUでは0.9%)。

日本に住む我々は果たしてどれくらいの遺伝子組み換え食品をすでに消費しているのだろうか? ジェフリー・スミスによれば、アメリカ人は年間1人当たり80キロ余りとということだった。

日本では去年、発泡酒と「第3のビール」にも入った。こう言うと酔いの覚める人がいるかもしれない。

そして肉類はと言うと、遺伝子組み換えのエサで育てた家畜のものかどうか、表示義務は一切なし。しかし家畜の飼料の多くが遺伝子組み換えなのだ。何しろ日本の家畜の飼料は半分がトウモロコシ。そしてその9割近くはアメリカからの輸入。そしてあの国のトウモロコシはとうにもろ9割は遺伝子組み換えなのだ。

日本政府は遺伝子組み換え食品の認可にとにかく熱心だ。今回ジェフリー・スミスに付き添い、登壇もされた遺伝子組み換え問題の第一人者・印鎰智哉さんが言っていたが、世界でも突出している。
あっという間に200種を超えた。
そして今なお認可しまっくっている。
日本、気がつけば承認数214件で世界1位じゃないか!

動物は知っている

スミス氏が講演の中で紹介していたが、動物に遺伝子組み換えのものとそうでないものを選ばせると必ず遺伝子組み換えでないほうを選ぶという。

ある農家は自分もいつか実験しようと遺伝子組み換えのトウモロコシとそうでないものを袋に入れて保管していた。ところが実験を行なうことはできなかった(というか実験に成功したというか)。というのも、家畜に与える前に、ネズミに食べられてしまったのである。ネズミは袋に穴をあけトウモロコシを平らげていた。それは遺伝子組み替えの飼料でないほうだった。そして遺伝子組み換えの飼料のつまった袋は、まったく手つかずだった。

このように、動物に選ばせると、必ず遺伝子組み換えのものは見向きもしないのである。これまで確認したこところでは、そのような行動を見せた動物は以下のとおりと言う:ウシ、ブタ、ガチョウ、リス、ヘラジカ、シカ、アライグマ、スイギュウ、マウス、ラット。

モンサントの野望は尽きない

かつて「世界のすべてを遺伝子組み換えに」するのが自分たちの目標であるとまで宣言した会社だ。

遺伝子組み換えのリンゴ(皮をむいても変色しない種をつくろう! それだけのために何人殺したら気がすむ!)、遺伝子組み換えのサケ…、自然破壊、健康破壊、金儲けの種はつきないようだ。

そしてさらに怖い話がある。
除草剤が効かなくなりつつあるという。ラウンドアップへの耐性を備えた雑草が出現しているのだ。

そこでモンサント、ラウンドアップの「改良」とばかりに、な、なんと、
枯れ葉剤成分2,4-Dをこの除草剤に組み込もうとしているという。

枯れ葉剤と言えばアメリカ軍がベトナム戦争時にベトナムで大量に散布し、
今日まで何万、何十万という人々の健康を損ない、命を奪ったものだ。
今なお多くの人々が障害を抱え、人生を奪われている。
中枢神経を奪い、心臓病、ガン、出生異常、、。遺伝子を通じ将来の世代にまで被害(*10)。

それを除草剤に混ぜて散布!?

この秋にもその強化型ラウンドアップが出回るという話がある。  

Agent_Orange-3.jpg 

希望は:

「転換点」 

遺伝子組み換え食品を避ける人の数を増やすことだ。
このような商品を売ってももうからない、となると企業側は撤退する。
ジェフリー・スミスによればそのような覚醒した消費者を今よりあと5%も増やせば、アメリカでは消費者の勝ちだという。
それが転換点。そこに至れば形勢逆転、
巨大企業の商機がなくなり、正気の勝機、
命や健康や環境を大切にする側の勝利というのだ。

ヨーロッパ市場はとうの昔にその転換点に達し、撤退に向かい始めた。
1999年の4月にユニリバーが遺伝子組み換え食品からの段階的撤退を発表すると、
なんとその翌日にネスレが続き、その翌週には続々ほかの企業も追随した。
今ではレストランにも表示が義務づけられている。

アメリカも食品メーカーや外食産業に遺伝子組み換え食品離れが

ニューヨークタイムズの世論調査では
2012年 遺伝子組み換え食品を懸念している消費者が51%だったものが
2013年は60%。

非営利で認証を行なう「非GMOプロジェクト」が拡大を続けている。
遺伝子組み替え食品に関する消費行動が変って来ているのだ。

これを受けスーパーマーケットやレストランの大手チェーンも撤退を開始、
食品メーカーでもハーシーズ(チョコレート)などにその動きがあった。

アメリカのGMO市場はやがて消えてしまうだろう、そうなると
行き場を失った遺伝子組み換え食品が大挙して日本に向かう、とジェフリー・スミスである。

モンサントの話、もっと日本の消費者にもらさんと。
世界の掃き溜めになる日本?

アメリカも市場として先が見え始めた。
日本は規制が緩い。国民の認識も甘い。
メディアは報道せず、政府は前のめり。
このままだと、行き場を失った遺伝子組み換え食品が
どどっと日本に押し寄せることになるかもしれない。

日本の消費者はもっと意識を高める必要があるとつくづく思う。思い出すのはたとえば木材。違法伐採による木材や木材製品に関し欧米では厳しい法律ができている一方、日本には努力目標を宣言したくらいの制度しかない。アメリカの2008年「レイシー改正法」、EUの「EU木材規則」 (2013年)。現地の仕入れ先にさかのぼって合法性を証明する情報を入手する義務がある。いずれも違法材の取引は禁止。違反すれば莫大な罰金、禁固刑すらある。ひるがえって我が日本の「グリーン購入法」は、国や地方公共団体など公的機関のみが対象。環境面に配慮して購入しましょうね、という努力目標を謳っただけ。罰則無し。かくて、行き場のない、やばいものは、日本を目指す。

世界が撤退するなか日本がババをつかむ、ということでは原発を思い出す。東芝を見よ。やがては安倍政権を見よ、だ。メディアが報じなかったり、遺伝子組み換えも木材も原子力も、構造的に似ているところがある。

自分たちの健康や環境を損なうだけでなく、原発ではウランの採掘や使用済み燃料にからみ他国の人々にも害を及ぼす。日本を含め世界の多くの人が脱原発を支持しているというのに、日本政府は原発の輸出にまで推進にやっきだ。遺伝子組み換え食品も他の市場が閉じようとするなか、気がつけば図抜けて熱心な国になっていた。これではモンサントとその遺伝子組み換え作物が生き残る。自分たちの健康や環境を損なうのみならず、生産国の農家や環境にも深刻な被害を強いる。

日本でもめざせ「転換点」

「皆さんも今日から活動家だ。今すぐ行動を。今すぐ拡散を。活動家になるのに私の許可を待つ必要はない。どうしても許可がほしいと言うなら、今この場で皆さんに許可する。グラフもスライドも自由にダウンロードし、アップロードし、広めてほしい」

ジェフリー・スミスは日本での歴史的な講演をこうしめくくった。

J. Smith 1456563285183.jpg

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*5)優勢の変異だったり、劣勢の変異だったりする。その結果、タンパク質が異常に生成されることもある。そしてそのタンパク質が、アレルギーを惹き起こすものだったり、毒性や発ガン性のあるもの、栄養の吸収を阻害するもの(抗栄養素)だったりするのである(アリソン・ウィルソンほか)。増えるものとしては大豆レクチン(抗栄養素)、トリプシン阻害剤(アレルギーを起こす)、減るものとしてもタンパク質、脂肪酸、必須アミノ酸、植物性エストロゲン(ガンや心臓病を抑制すると考えられている)なども報告されている(スティーヴン・パジェットほか)。

アレルゲンであるトリプシン阻害剤の増加はモンサントが行なった研究でも7倍に増えていた。この事実は研究から削除されていたが、あとでそのことが発覚し、公にされた。

*6)ラットの肝臓や腎臓に毒性が認められている。腎臓には炎症など病変が認められ、重量も減少しているが、それは血圧の問題と関連しているかもしれない。そのほか、塩基性が強まっているが、これはアレルギーと関連している。リンパ球や白血球が増えているのは、炎症などへの反応が考えられる。血糖値が10%上昇、未成熟赤血球の半減。これは貧血を示唆している。

*7)  マイケル・テイラー。食品の安全性を規制する側だったり規制される側だったり、アメリカ得意の「回転ドア」(日本の天下りと違って政府と民間の間を双方向に行き来する)で出入りを繰り返している。
1976年からFDA食品医薬品局の弁護士。
1981-91 モンサントを顧客とする弁護士事務所(1988年にはそれまでの加工食品への発がん物質の添加を一切禁じる規制に代わり、1ppm未満なら使用を認めることを提案している)。
1991年 新設されたFDA政策担当副長官に就任。
1992年 牛成長ホルモンを投与した牛からの牛乳に表示義務なしとの通達に署名。
1994-96 農務省。
1996-2000 弁護士事務所にいったん戻ったのちモンサントの副社長に就任。
2009年から再びFDA。

*8)ジェフリー・スミスの映画でも暴漢に襲われた研究者の話や役職を失っても自分の良心に従って主張を貫いた科学者などが出てくる。スミス本人にも様々な中傷がなされているという。

*9)「主な原材料」でなければ、すなわち、重量が原材料中上位4位以下で5%未満なら「使っていません」と表示できる。食品に「遺伝子が組み換えられたDNA又はこれによって生じたたん白質が残存」しなくてもそうだ。
http://www.caa.go.jp/jas/hyoji/pdf/kijun_03.pdf 「遺伝子組換えに関する表示に係る加工食品品質表示基準第7条第1項及び生鮮食品品質表示基 準第7条第1項の規定に基づく農林水産大臣の定める基準」

*10)http://apermanentmark.com/about-agent-orange/

environment.jpg
枯れ葉剤の散布を受けたベトナムの密林
https://www.youtube.com/watch?v=idxFP8yyO0w


上映/講演会 主催:アジア太平洋資料センター(PARC)、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)、生活クラブ連合会、パルシステム連合会、大地を守る会、ほか
http://geneticroulette.net/download/MrJeffreySmithinTokyo0227.pdf

『遺伝子組み換えルーレット』DVD
http://geneticroulette.net/download/MrJeffreySmithinTokyo0227.pdf



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コメント 2

からしだね

モンサント、という企業名やTPPおよびISD条項の危険性、については断片的な知識しかなかったのですが、今回の2回にわたる連載でよく理解できました。ありがとうございます。

遺伝子組み換え食品、本当に恐ろしいですね。

日本はかつて薬の安全性基準が世界で一番厳しいなどと言われ、ついこの間まで農作物も世界一安心、と言われていましたが、こうした言葉が過去形で語られる未来(すでに現実?)が近づきつつあるということですね。
戦争法もそうですが、TPPも日本崩壊のきっかけになる危険な条約なのに、国会を見ていても関税の話ばかりしていて本当に不安です。
これからの世界は国対国、というより富裕層対一般大衆、が対立軸となって行くのでしょうか。

by からしだね (2016-03-07 10:37) 

noraneko-kambei

からしだねさん、コメントを大変ありがとうございます。
お書きになったこと、私もいちいち共鳴します。
「安全性基準が世界で一番厳しい」これも別の問題で安倍総理の言われていることですねー。
「国会を見ていても…」国会と言えば、ISD条項に関して、提訴となったら日本の裁判所でどーなるという質問に、岩城法相、ちゃんと答えられませんでしたからね。何度も聞かれ、何度も答えるのだけど、休憩まで入れてやり直しても、まともな答えはなかった。分かっててごまかしたのか、分かっていないのでちゃんと答えられなかったまでなのか、どっちに転んでもこの国はとてつもなく危ういところに差し掛かっている。。
by noraneko-kambei (2016-03-07 14:31) 

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