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ユダス・マカベウス♪と相撲とトランプと安倍(1) [アベラ国]

大相撲で前から気になっていたことの一つが、千秋楽の優勝力士の天皇賜杯拝戴の時に
あの曲が演奏されることであった。違和感があるのだ。
お寺の幼稚園でクリスマス・キャロルを歌っているようなもの。いや、
そんな無邪気なものではない。 

そして、今回も、賜杯拝戴時に、なんでこんなややこしい曲を、こんなややこしい場所で、
こんなややこしい時期に、こんなややこしい人たちを前に、演奏する?!

この曲、この場、この人たちには、
古代から現代に至る強烈な宗教、民族、戦争の意味合いが絡みついている。
知っててこれを揃えたのなら、とても怖い気がする。

どういう経緯でいつから千秋楽にこの曲を演奏するようになったのかは知らない。
近代オリンピックが始まって、表彰時にこの曲を演奏するようになって一般化したというから、
相撲もいつしかそれを引き継いだだけなのだろう。
しかし、今回は、改元なったところへ、トランプを招いて安倍がいて、、
もう、違和感の極みなのであった。


曲は、ヘンデル(1685-1759)のオラトリオ『マカベウスのユダ』第3幕 で歌われる合唱曲
『見よ、勇者は帰る』。


オラトリオ(聖譚曲)なのである。ユダヤ教、キリスト教といった宗教が絡んでいる。

この曲が「令和初めての」大相撲千秋楽で、自衛隊の音楽隊によって演奏されたとき、
トランプには何か特別な思いがあっただろうか。ユダス・マカベウスのことは知らないかも知れないし、
相撲のことを「格闘技」と捉えている彼のことだし、気にもとめなかったかもしれないが。


-あの白いのはなんだ?
-塩です。
-なんで塩をまいてるんだ?
-清めです。悪い霊を追い払っているんです。かしわ手やシコにも同じ効果があるとされます。



大使館の(?)お付きの人とそんなやりとりをしてたかもしれない。

-いつまで塩まいてんだよ。はやくやれ。
-相撲はスポーツじゃないんです。神道の儀式でもあるんです。

というわけで、相撲にも宗教が絡んでいる。

ユダ・マカバイ(マカベウスのユダ)はというと、ユダヤ教徒だ。トランプの娘夫婦と同じだ。
(最初の奥さんとの娘・イヴァンカはユダヤ人実業家のジャレッド・クシュナーと結婚してキリスト教から
 ユダヤ教に改宗している。クシュナーはトランプと同じく不動産業。トランプが大統領になると
 大統領上級顧問になった。ちなみにトランプの大統領選最大の献金者、カジノ王シェルドン・アデルソンも
 ユダヤ人*1)。

トランプ自身はキリスト教徒で福音派(キリスト教右派)に支持者が多いが、特に親イスラエルであり、
それまでの長年のアメリカの政策を大転換させ、首都はエルサレムとするイスラエルの立場を認め、
多くの国の反発を呼んだ(日本もめずらしくアメリカに反対)。エルサレムはユダヤ教徒のほか
キリスト教徒にとってもイスラム教徒にとっても聖地であり、エルサレムの地位と帰属は、パレスチナの
アラブ人とユダヤ人の抗争の中でも依然として未解決で根の深い難問中の難問なのである。

エルサレムの「神殿の丘」は古代ユダヤ王国の神殿があった場所でユダヤ教の聖地だが、キリストの受難、
十字架を背負って歩かされたヴィア・ドロローサ(悲しみの道)もあればキリストのお墓のある聖墳墓教会
もあってキリスト教の聖地なら、ムハンマドがそこから神に導かれて昇天したというアルアクサ・モスク
があってイスラム教の聖地でもある。



寛兵衛 聖地をゆく 1 https://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-3
寛兵衛 聖地をゆく 2 https://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-4

ユダ・マカバイは旧約聖書のマカバイ記(おおまかに言うと(プロテスタントでは外典(今では続編と呼ぶか)
カトリックでは正典)に記述のある紀元前2世紀のユダヤ人の英雄だ。当時は、アレクサンドロス大王が死んだあと大王の後継者の一人、ニカトール(セレウコス1世)が始めたセレウコス朝シリアが、今のトルコからシリア、イラク、イランにまたがる地域を支配していた。

ユダヤ人たちはエルサレムを占領され、ユダヤ教の神殿を荒らされ、ユダヤ教の信仰も禁じられる。しかし、マカバイらが立ち上がり(マカバイ戦争:紀元前167-160)、セレウコス朝を打ち負かし、エルサレムを奪回するのだ。

よく知られたユダヤ人のハヌカーという名の祭があるが、それはこのマカバイによるエルサレム奪回を祝うものである。異教徒によって汚された神殿を清める祭である。

オラトリオ『ユダス・マカベウス』は、こういった聖書の時代の話だが、ヘンデル(ドイツ人だがイングランドで活躍)の同時代18世紀のスコットランドのジャコバイトの反乱を暗示するものともなっている。スコットランドの戦い(こちらは王位を巡る、プロテスタント、カトリック、イングランド、スコットランドのからむ争い)から帰還するカンバーランド公爵を「勇者」になぞらえているのだ。

この曲はキリスト教の讃美歌ともなって教会でも歌われている(『よろこべや、たたえよや』)。

もともとヘンデルの別のオラトリオ『ヨシュア』にあったものを流用したのだという。ヨシュア。これまた旧約聖書『ヨシュア記』の人物。モーゼがシナイ山で神から十戒(ユダヤ教では「律法」)を授かって、イスラエルの民を率いる指導者としてその後を託したがヨシュアである。モーゼから「あとはよろしゅうたのんまっせ!」と言われ「よっしゅあ!」と答えたかどうかは知らぬがヨシュア、その後、エリコの城壁を破壊し、一帯の人々を殲滅した。

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よくもまあこんな曲をトランプと安倍を前に神聖な土俵に臨んで演奏するものだよ。


ユダ・マカバイはユダヤ人の反乱軍を率いて弟のヨナタン(イスラエルの今の首相のお兄さんもヨナタン。
ある作戦で知られる。 (『ねたましいネタニヤフねた 自衛隊』 https://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04)やシモンらと共にセレウコス・シリア軍を相手にゲリラ戦を展開したというが、
エリコを破壊したヨシュアにしても、エルサレムを奪回したユダ・マカバイにしても、
どうしても20世紀のイスラエル建国とイメージがダブってしまう。
こちらはイスラム教徒であるアラブ人との戦い。イギリスの2枚舌もあり、
アラブ人の土地をユダヤ人が奪っていった現代史だ。

1948年のイスラエル建国までの闘争で「民兵組織」にいたユダヤ人たちは、イギリスやアラブ人からすれば
テロリストだが、ほとんどが東欧やロシアからの移民や移民の子で、神から約束された土地を
奪い返そうとするユダヤ人の英雄という点では現代版ユダ・マカベウスだったということだ。
後に多くがイスラエルの首相になっている。ハガナー(民兵自衛組織)出身者からは、
初代首相ベングリオン、ラビン、シャロン、ペレス、、エルグン(対英テロ組織)のベギンも、
その分派レヒ(「シュテルン・ギャング」)のシャミルも、皆そうである。

紀元前2世紀、ユダ・マカバイがエルサレムの神殿を異教徒から奪還するとユダヤ人たちは
異教徒に汚された聖なる場所の清めを行ったが、現代のイスラエルがエルサレムを占領するに至ったのは
1967年の第3次中東戦争である。

神殿の丘にダビデの星(イスラエル国旗)が翻り
イツァーク・ラビン参謀長が国の英雄になった(後の首相)。
何か宗教的な恍惚感?が漂ったような笑み。
民族の2,000年近くにわたる悲願を達成した、一種独特の興奮がうかがえる。


一方、ユダヤ人やイスラエルと因縁浅からぬトランプが国技館で目のあたりにしたのは、
関取らによる塩まきというこれもまた一種の清めの儀式であった。


天皇でさえ二階貴賓席からの観戦が通例というのに
この二人は土俵正面の升席を1,000席も買い上げ
椅子を並べて腰掛けての観戦だった。


取り組みが終わり、表彰式を前に、国歌斉唱につづいて、賜杯拝戴、、そうです、
ユダス・マカベウス!
航空自衛隊の音楽隊による演奏!

そしていよいよ土俵へ上がるトランプと安倍。
日曜大工でこさえたような木製の階段を急遽設置。




そこから土俵へ。
安倍もトランプもスリッパだ!

トランプのスリッパ.jpg

浄められた聖なる土俵を
軍国回帰の大嘘つき総理大臣と
軍事超大国の女買いの大統領が
スリッパの同盟強化で
思いっ切り汚すの図

スリッパというのはこうだ
自分の足はきれいなものだが
その下が汚れたものだから
その汚れたものに接しないよう自分の足を守るために履くもの
まるで便所のスリッパではないか
「国技」相撲へのなんたる冒涜!

土俵は神聖な場として、女は入ることを許されていない。
女は汚れた存在だというのだが
ならこの二人はなんなんだ?!

塩をまけーー!

ここにおいて私の違和感は最高潮に達したのだった!!!

(ひょっとして天皇の権威をおとしめるため意図的にやっている?)

履物で汚すといえばあれは去年か
安倍首相から訪問を受けて夕食にのぞみ
実物かと見紛うほど革靴そっくりの器を
畳をあしらったような敷物の上に乗せて食卓にデンと置いて
デザートを供したイスラエルのネタニヤフ首相を思い出す
『首相の食卓に「靴」のショック卓 ~ネタニヤフのネタ』
https://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2018-05-08



思い切りバカにされたのだと思うが
笑ってごまかすしかない?安倍夫妻だった
二人には汚れだの清めだのといった観念は
ないのかもしれない


大相撲千秋楽の儀式やユダス・マカベウスの音楽や
安倍、トランプによる観戦騒ぎと冒涜で
はからずも思いをはせてしまった日本の神道や中東起源の世界の宗教ーー
アブラハム(イブラヒム)を共に宗教の始祖とするユダヤ教、キリスト教、イスラム教だが
(それぞれ起源は日本でいうと縄文時代、弥生時代、聖徳太子の時代といったところ)、
ついでに言うとアブラハムの孫がヤコブでまたの名をイスラエル。ユダヤ人の祖だ
(そのヤコブが英語でジェイムズ。スコットランドのカトリック王の名前。
ジェイムズの支持者ということでジャコバイトと呼ばれるのである。
『見よ、勇者の帰還を』とは17世紀のジャコバイトの乱を鎮圧して帰ってきた勇者を
暗示したものでもあったのだ)。

さらにはそのAbraham。英語(エイブラハム)では、その省略形がAbeエイブ。ローマ字読みすると、
なんとなんと、我が安倍総理大臣ではないか!

大砂嵐(エジプト出身でイスラム教徒)がまだ現役で、千秋楽にイスラエルの古代の英雄をたたえる
「見よ、勇者が帰る」の演奏されるなか、革靴で土俵に上がった安倍が表彰でもしてたら、大変なことだった。

いやはや、古代と現代、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教と神道、汚れと清め、民族と宗教と国家と戦争とテロ、日本やアメリカやイスラエルやイギリス、、こんなものがからまりあった目くるめくバトルロイヤルのような演奏だ。

なんでこんなものを相撲の千秋楽にトランプと安倍の前で演奏しなきゃならないのだ。
ややこしくゆゆしくててしょうがない。

「見よ、勇者は帰る」は相撲の千秋楽にはどう考えても相応しくない。

ま、相撲の神道は多神教。八百万の神がいるわけで、かまわんかもしれないが、他は一神教。
中東のお互い親戚同士とも言っていいんだが、宗教を巡って殺し合いをしてきた人たちである。

こんな曲を大相撲の千秋楽の賜杯拝戴に合わせて安倍氏の言う「我が軍」の軍楽隊
(軍は憲法上ないのだから音楽隊か)に演奏させるのはいい加減やめるがいい。

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次回はここからさらに「野蛮に回帰する安倍・日本、文明と野蛮の逆転とアメリカの「明白なる運命」
(マニフェスト・デスティニー)」てなことにつなげて書いてみたい。

*1:トランプ→安倍 大口献金者のために米カジノ大手の日本参入を要求していた|ニューズウィーク日本版 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11092.php?t=1
<トランプ大統領から安倍首相への口利き後、日本はカジノ合法化に舵を切った>

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